• 一枚の絵のみを教材として活用し、様々な問題を見付け出し、その問題を解決するためにはどのようにしたらよいかをグループで考えていくという教材提示及び指導過程の工夫。
    カテゴリー
    • 工夫事例(指導案)
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    • 道徳教育の推進体制
    • 「道徳の時間」の評価
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    • 高等学校を含む資料
    • 授業で使える郷土教材
    実践研究事例
    第1学年1組 道徳科学習指導案
    都道府県
    千葉県
    学校名
    学年
    小学校1年生
    先進事例
    • 読み物教材の登場人物への
      自我関与が中心の学習
    • 問題解決的な学習
    • 道徳的行為に関する
      体験的な学習
    • その他
    主題名
    みんながにこにこ
    内容項目
    C:規則の尊重
    教材名
    みんなのこうえん
    出典
    みんなのどうとく 1ねん
    学研
    提供元
    千葉県教育委員会
    作成
    千葉県教育委員会
    ねらい
    みんなが使う公共の場で、すべての人が気持ちよく活動できるよう、公共の場で必要とされる約束やきまりを守ろうとする態度を育てる。
    主題設定の理由指導の工夫
    主題設定の理由
    (1)主題について
    本主題は、学習指導要領の内容4-(1)「約束やきまりを守り、みんなが使う物を大切にする。」を受けて設定している。第3・4学年では、社会生活の中で守るべき道徳としての公徳を大切にする態度にまで広げ、第5学年及び第6学年では、「公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし進んで義務を果たす。」と遵法の精神まで高めることに発展し、規範意識の育成に重要な内容項目である。公徳心は、社会生活の中で守るべきモラルを尊重する精神と考える。
    現行4-(1)の内容項目は、27年7月に発表された学習指導要領解説では、「C-I0規則の尊重」のキーワードで「生活する上で必要な約束や法、きまりの意義を理解し、それらを守るとともに、自他の権利を大切にし、義務を果たすことに関する」 と示された。主体性をもってきまりや規則を守ることを重視して、第3・4学年では「約束や社会のきまりの意義を理解し、それらを守る」に、第5・6学年では「法やきまりの意義を理解した上で進んでそれらを守り」に改められた。
    今回、道徳教育の改善に関する一連の動向の発端となったのは、いじめの問題への対応である。しかし、社会の抱える様々な問題の中で、尊い命が失われるような痛ましい出来事が発生し、道徳教育の在り方が大きく関われる時期にある。改正学習指導要領で、道徳教育の要となる道徳科は「自己を見つめ、物事を多面的・多角的に考え、自己の生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的判断力、心情、実践意欲と態度を育てる。」と示された。改正学習指導要領の趣旨を踏まえ、集団や社会の中での約束やきまりの意義を理解し、大切にしようとする意識を育んでいくことが求められる。
    入学して間もない1年生は、学校生活が新鮮であり、様々な約束事も喜んで受け入れている。これまでに学校探検や校外学習、運動会等の行事の時に、きまりについて考える機会を持つようにしてきた。周囲の大人や上級生の教えを守り、それを行動に移そうと努力している。しかし、自分の興味や状況によって、周囲の様子を考えずにきまりが守れない場面が見られる。本学級は、少人数であるため、約束やきまりを守れないことがあっても、学級生活は成り立っていくこともある。約束やきまりはなぜ守らなければならないか考えさせ、他者からの外的なカによって強要されるのではなく、一人一人が大切さを自覚して守るようにしていきたい。
    本校では、きまりを「豊栄小のよい子の一日」として明文化し、守るべき事として共通理解を図っている。子どもたちの行動を制限するきまりは、どこの学校でも共通すると推察される。一日の生活の中で、授業中の約束、給食の配膳のしかた、図書室の使い方、休み時間の遊び等、多くのきまりが存在する。子どもたちは時間枠の中で器用に使い分けるが、時として守れないこともあり、約束事を破った時にさほど罪悪感は感じられない。しかし、きまりを破る行動によって、周囲には困ったり、傷ついたりする人が存在する。きまりは、集団の構成員による公的な約束事であり、それが一般性や罰則をもった法になっていく。きまりによって、自分たちは守られているのだと、必要性に気づかせることが重要となる。また、どんなきまりが必要なのか、自分たちの生活から求められる約束事を自分たちで考えれば、守ろうとする意識も高まると考える。
    本実践では公共の場での約束やきまりを守ることによって、人に迷惑をかけないこと、そのことによって自分自身も生活しやすくなることに気づかせたい。「みんなが使う物」とは公共物であり、公共物の使い方として約束やきまりが必要となる。みんなで使う物にはどんな物があるかを明確にし、使い方の約束やきまりがある理由がわかり、大切にしようとする意識を持たせたい。社会の秩序を守るための規則の必要性について認識し、実践しようとする態度を育てたいと考え、本主題を設定した。
    (2)子どもの実態(男子5名 女子4名 計9名) 調査日28年5月17日
    学校や家庭等、日常生活の中で、よく経験すると思われる34項目について、何をどのくらい悪いと思っているか、「とても悪い」「少し悪い」「あまり悪くない」「全く悪くない」の4つの選択肢を設けて尋ねた。入学して約2か月で、学校のきまりに対して素直に受け入れているため「とても悪い」 と感じている項目が多い中、「少し悪い」 と数名が回答した項目があった。
    少し悪いと感じる児童3名 お金や品物を借りて返さない 友だちの発表したことをからかう
    少し悪いと感じる児童4名 決められた時間に家に帰らない 決められた服の着方をしない
    「お金や品物を借りて返さない」という社会的な罰則が定められている項目に関して「少し悪い」と感じる児童が3名いる。まだ、具体的な場面が想像できないこと、善悪の判断がはっきりとできていないことが原因と推察される。社会規範として、絶対にやってはいけないことは認識できるようにしたい。
    「友達の発表したことをからかう」ような友だちとの関わりに関して「少し悪い」 と感じている児童は、他者理解が不十分なことが原因と考えられる。安易なからかいも相手は傷つくことに気づかせていくことが大切である。周囲の友だちを大切にしようとする意識は、きまりを守る基となる。
    決められた時間に家に帰らない、決められた服の着方をしない等の約束事に関しては、ゆるやかな見方となり、「少し悪い」 と感じる児童が4名である。時間を守ることに関しての意識が薄いことが課題となる。また、服の着方に関しては、運動会での体操服の約束が関係していると推察され、学校生活でのマナーに関して考えさせていく必要がある。
    次に、きまりは破ってはいけないのか、きまりがなかったらどうなると思うか、きまりの必要性に関わる質問に対する調査結果をまとめる。
    きまりは、みんなが困るからなくさない方がいいと「とても思う」児童が100%である。これは、迷惑な人が増えると思う割合が高いことからもうかがえる。きまりは、自分たちを守っていることに無意識に気づいていると言えよう。
    きまりはあってもなくても変わらないかという質問に対しては児童は否定的に回答し、きまりの必要性を感じている。
    きまりになくても、自分から悪いいと思ったことはしないと肯定的に回答している。自分で判断し、行動できることが大切になることから、判断の根拠が求められる。
    次に、きまりを破ることに関しての意識調査では、「破ってもしかたがない時もある」 と7名の児童が肯定的に回答し、状況により許される場合もあるととらえている。「きまりは多すぎても破ってしまう」という項目では、きまりの多さについてはやや抵抗を感じているとうかがえる。きまりを破っても自分が困らなければいいと「思わない」児童は7名いる。自己中心的な考えに偏らず、周囲の人の思いを大切にしたいという意識は持っている。
    以上の調査結果では、周囲との関係性を大切にしようという意識がうかがえ、児童の肯定的な面が把握できた。しかし、日常生活の観察から、自分の興味・関心が先に立ち、自分勝手な行動をとってしまう時もある。
    学校のきまりに関しては、多くの約束事がある中で、児童の意識には偏りが見られる。生活科の学校探検が影響していると考える。そのきまりがなぜあるか、理由は一人一人が自分なりの言葉で表現していて、集団生活を円滑に営むためのものであることに気づいている。その中で「命を大切にするため」と答えたE児の発言に注目したい。
    児童は、遊具をみんなが使う物として認識している。また、場所としては教室から見える範囲だけに限られていて、社会生活にまで意識が広がっていない。校外学習の様子を写真で紹介し、公共物にはどんな物があるか視野を広げていきたい。それを使うには約束やきまりがあり、そのきまりがあるわけについて考える時間を設けることが大切だと考える。日常生活の中できまりを守っていると意識している児童がほとんどであるが、具体的に校外学習の例を挙げると、5名は縦割り斑に迷惑をかける行動をとっていた。わかっていても行動できない人間理解の補助発問を取り入れながら、自分とのかかわりで考えることができるようにしていきたい。
    (3)資料について
    本資料は、多くの人が集まり、様々な活動が展開される公園の様子を描いている。楽しそうな人や困っているような人が描かれていて、表情や動きによって状況が把握できる。人のかかわり合いに気づかせていくことが大切である。自分とまわりの人という異なる視点から考えることで、どんなことに気を付ければ気持ちよく過ごすことができるようになるか考えさせたい。公園の全体像を示しながら、よりよい公園にするための方法を考えさせることにより、公共の場で必要な約束やきまりを感じ取らせたい。
  • 一枚の絵のみを教材として活用し、様々な問題を見付け出し、その問題を解決するためにはどのようにしたらよいかをグループで考えていくという教材提示及び指導過程の工夫。
    カテゴリー
    • 道徳科における指導上の工夫事例
    • いじめ問題に関する事例等
    • 道徳教育の推進体制
    • 「道徳の時間」の評価
    • 家庭や地域との連携
    • 障害者理解に関する資料
    • 高等学校を含む資料
    • その他特集(映像など)
    実践研究事例
    第1学年1組 道徳科学習指導案
    都道府県
    千葉県
    学校名
    学年
    小学校1年生
    先進事例
    • 読み物教材の登場人物への
      自我関与が中心の学習
    • 問題解決的な学習
    • 道徳的行為に関する
      体験的な学習
    • その他
    主題名
    みんながにこにこ
    内容項目
    C:規則の尊重
    教材名
    みんなのこうえん
    出典
    みんなのどうとく 1ねん
    学研
    提供元
    千葉県教育委員会
    作成
    千葉県教育委員会
    研究成果

    研究課題